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演鑑演劇部2015年度本公演ロク斜タクその3
舞台は、「佐伯荘」という木造2階建てのアパート。
国道を挟んだ向かいには、女子高があります。夏場は西日がひどく射し込み、室内はまるで蒸し風呂。
窓を開けると、ここにも国道。
女子高の前を通る国道と交差する、これもまた、国道。
朝の登校ラッシュは女子高生たちの大合唱です。それままるで椋鳥のよう。
「佐伯荘」の大家である早苗とその夫の清水。
1階の一番女子高に近い部屋に住んでいます。
そのまま、トタン屋根の駐輪場を左手に進みます。
階段を登り、2階。
手前から3番目の206号室は誠の部屋。
洗濯機は屋外に設置されており、正面玄関ではないにしろ、そこから国道へと通じることが出来る。
その幅は、少しばかり、狭い。
さて、いつきのことを話さなくてはいけません。
向かいの高校に通う女子高生。
印象的なのはその濡れたカラスの羽を思わせる黒髪。
膝上、太腿の、柔らかく膨らんだ曲線が覗く、スカート丈。
初夏の、霧吹いたように湿る少女の肌は、やたらに丈夫な布を内側から押し上げます。
そこに思わず怪物の顔を忍ばせてしまいます。
その白妙の肌に似合わぬほどに。
深い色味の制服がより、その純白さを掻き立てるようです。
そのあまりにも不実な甘味。
毎日、女子高生/いつきはやってきました。
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